暑い夏は身体に負担がかかり夏バテしやすい時期になります。そんな時は土用丑の日にうなぎを食べる事で、夏バテを防いで猛暑を乗り切る習慣が日本にはあります。
2024年の土用丑の日は7月24日と8月5日の2回あります。今スーパーマーケット等では土用丑の日の鰻のチラシや看板を見かけない日はありません。
改めてうなぎの旬を調べてみると、夏では無いようです。ここでは、うなぎが美味しくなる旬の季節、何故夏の土用丑の日に食べるようになったのか?その理由を調べてみることにします。
うなぎの旬は夏じゃない!いつが美味しい旬の時期?
鰻の旬は、天然と養殖で異なります。
天然鰻の旬は10月から12月、秋から冬にかけて美味しい時期になります。
鰻は秋から冬にかけて、冬眠に備えて栄養を蓄えるため、脂がのって旨味たっぷりになり美味しく食べることが出来ます。
天然鰻の味ですが、身の固さは引き締まっていて味は比較的あっさりとしているようです。ですから、食べ応えのある食感で程よい脂がのった味わいで美味しく食べることが出来ます。
一般的に出回っているのは養殖物です。養殖鰻は年中食べる事が出来ますが、とくに6月下旬~8月に美味しく食べることが出来るように育てられています。
何故養殖物は夏に美味しく食べられるのかというと、土用の丑の日に合わせて育てられているためです。
この養殖鰻の旬は夏ですが、地域によって旬の時期が多少異なる場合があります。
養殖鰻の味ですが、身はふっくらして柔らかく脂の乗った味わい。よく食べるあの鰻の味になります。
天然物は日本中の川や田畑に生息していますが、数が少なくなり食べることが難しくなりました。その分養殖物で変わりなく美味しく食べられる事が出来ます。
うなぎの旬は夏じゃない。夏の土用丑の日に食べる理由は?
夏の土用丑の日にうなぎを食べる習慣は、江戸時代に定着しました。きっかけは諸説ありますが、最も有力なのが蘭学者の平賀源内による発案という説です。
江戸時代に平賀源内が考案
当時の日本では、うなぎは高級食材であり、庶民が気軽に食べられるものではありませんでした。また、天然うなぎの旬は秋から冬だったため、夏はうなぎが売れにくい時期でもありました。
そんな中、平賀源内は「本日土用丑の日」という看板をうなぎ屋に掲げさせ、うなぎを売り出したところ、大繁盛したと言われています。
これがきっかけで、他のうなぎ屋も真似するようになり、夏の土用丑の日にうなぎを食べる習慣が定着したと考えられています。
その他の説
「う」のつく食べ物を食べる
古くから、土用の丑の日に「う」のつく食べ物を食べると縁起が良いとされていました。うなぎも「う」のつく食べ物なので、丑の日に食べるのに最適だったという説です。
現在でも土用丑の日には牛肉、胡瓜などの「う」のつく食材がうなぎと併せて売られています。
滋養強壮で夏バテ防止
うなぎはビタミンA、B群、E、Dなどの栄養が豊富で、夏バテ予防に効果があるとされています。そのため、暑さで弱った体を回復するために、うなぎを食べるようになったという説もあります。
土用丑の日とはどんな日
土用は18日間あり、その間に2回丑の日がくる年があります。2回目の丑の日を**「二の丑」**と呼び、この日もうなぎを食べる習慣があります。二の丑があるかどうかは毎年異なり、確率は約6割と言われています。
近年では、土用丑の日以外にもうなぎを食べる人が増えていますが、夏の風物詩として、多くの人が土用丑の日にうなぎを味わっています。
うなぎの旬は夏じゃないけど、どんな味わい?
夏の土用丑の日のうなぎは、旬を迎えて脂が乗り、ふっくらとして、香ばしいタレとの相性抜群で、多くの人を魅了する味です。
鰻の特徴と味
- 脂の乗り: 夏の土用丑の日のうなぎは、脂がしっかりと乗っていて、口の中でとろけるような食感です。
- 香ばしさ: 炭火でじっくりと焼き上げられたうなぎは、香ばしい香りが食欲をそそります。
- タレとの相性: 甘辛いタレがうなぎの旨味を引き立て、ご飯との相性も抜群です。
地域による味の違い
うなぎの産地や調理方法によって、味に違いがあります。
- 関東: 甘辛いタレが特徴で、ふっくらとした仕上がりです。
- 関西: あっさりとしたタレが特徴で、香ばしさを重視した焼き方が多いです。
- 名古屋: ひつまぶしと呼ばれる、刻んだうなぎを薬味と混ぜて食べる食べ方が有名です。
鰻も地域によって食べ方や調理法があります。色々な地域の食べ方を調べて食べてみるのも楽しみの一つになります。
うなぎの旬は夏じゃないけど、夏にぴったりのスタミナ源
うなぎは栄養価が高く、夏バテ防止にも効果的と言われています。上述したようにビタミンB群やA、E、D等猛暑で体力が落ちそうな時に食べると元気が出ます。
夏の土用丑の日の鰻を美味しく食べるポイント
- 焼き立てを食べる: 焼き立てのうなぎは、香ばしさが増してより美味しくいただけます。
- ご飯と一緒に食べる: タレとご飯の相性抜群なので、一緒に食べることでより一層楽しめます。
- 薬味を活用する: 山椒やネギなどの薬味を添えると、味に変化を加えることができます。
夏の土用丑の日は、ぜひ美味しいうなぎを味わって、暑い夏を乗り切りましょう!